「遊ばない犬」か「遊べない犬」か
せっかく犬のためにオモチャを買ったけど、全然遊んでくれない、と悩む飼い主さんは意外と多く、オモチャだけがどんどん増えていく、という事もあるのではないでしょうか。犬との遊びは飼い主さんとのコミュニケーションをより深める事もできますし、犬を飼ったら一緒に遊びたいと思っている方も多いはずです。では、何故遊んでくれないのか。ここでは「遊ばない犬」と「遊べない犬」の大きく2つのタイプに分けて考えていきましょう。
タイプの説明
まず、「遊ばない犬」と「遊べない犬」をもう少し具体的に説明します。
「遊ばない犬」とは
〇オモチャで遊ぶ事はあっても、すぐに飽きる
〇新しいオモチャは一時的に反応が良い
〇飼い主さんから遊びに誘っても、遊ぶ時と遊ば
ない時がある、など。
「遊べない犬」とは
〇オモチャに興味を示さない
〇オモチャで遊んだ経験がない
〇オモチャや人を怖がる、など。
犬の見せる反応は色々あるかと思いますが、少しでも遊ぶ事が出来る場合と、全く遊ぶ事をしない場合でタイプが別れます。また、そうなってしまった原因や対処もタイプ毎で異なりますので、犬の反応をしっかりと見て判断することが非常に重要です。
原因
では次にそれぞれのタイプの原因について、いくつかの例をあげて見ていきます。
「遊ばない犬」
○常にオモチャが飼育場所に出しっぱなし
→いつでもオモチャで遊べる為、飽きやすい
○犬が疲れる、飽きるまで遊びを続けてしまう
→また遊びたいという期待感が無くなってしまう
○犬にひとり遊びをさせている
→人と一緒に遊ばなくても1人で楽しめる、など。
主に、飼育環境や飼い主さんとの遊び方に問題があった場合、飽きやすい性格になってしまったり、あまり人との遊びを楽しめなくなってしまいます。
「遊べない犬」
○仔犬の頃に他犬やオモチャで遊んだ経験がない
→そもそも遊び方が分からない場合がある
○オモチャに対して恐怖心がある
→過去にオモチャで嫌な経験があると、人やオモチャを怖がるようになってしまう
○オモチャに興味を持っていない
→特にオモチャで遊ぶ事を求めていない、性格的に大人しい、など。
遊べない犬の場合は、主に遊びやオモチャに対しての経験や、犬自体の性格などが影響しているケースが多いです。
改善方法
オモチャで一緒に遊ぶ事が出来るようにする為、各タイプにあった対処法を検討しましょう。ただし、犬の反応やその原因によっては、改善まで時間がかかったり、技術を必要とするものもあります。ここでは簡単に説明をしていきますが、実際に行っていく場合には、トレーニングの経験がある人や訓練士さんなどと協力して行うことをおすすめします。
「遊ばない犬」の場合
主に飼育環境と飼い主さんの対応を変える必要があります。犬がオモチャに飽きてしまわないようにする為、
○オモチャは出しっぱなしにしない(与えたままにせず、必ず片付ける)
○犬にとってオモチャが特別な物になるよう、ご褒美として与えるようにする
○犬との遊び時間は飼い主が決める(犬がまだ遊びたい思っている内に遊びを終わる)
○オモチャで遊ぶ時は飼い主さんと一緒に遊び、飼い主さんも全力で楽しむ
○オモチャの動かし方などを変えてみる、など。
上記のような内容であれば、改善に取り組みやすいかと思います。犬に楽しかった経験を残し、また遊びたいという期待を持たせることがポイントです。ただし、実際どのくらいの時間遊ぶのか、オモチャを与えるタイミング、などは犬によって変わる為、しっかりと犬の様子を観察しなければいけません。
「遊べない犬」の場合
こちらのタイプは、主に慣らす事や少しずつ遊びへの興味を持たせることを中心にすすめます。試行錯誤と根気よく続けることが必要です。
その方法としては、
○一緒に走ったり、手で体を触ったりなど、まずは飼い主さんと体を動かす
○無駄にオモチャは出さず、ご褒美としてオモチャを与える(遊べなくても良いので、ご褒美としての印象を残す)
○少しでもオモチャを気にする様子があったら褒める(チラッと見る、鼻を近づけるなど、些細な反応を褒める)、など。
基本的には犬とのコミュニケーションを深めながら、犬の良い反応を褒めていきます。ただし、犬の反応の見極めがかなり重要になってきます。誤ったタイミングで飼い主さんが行動を起こしてしまうと逆効果を与えてしまう事もあります。
まとめ
犬のタイプによって原因は全く違いますし、何より対処法が大きく異なります。犬の反応を見逃さず対応する事は難しいところもありますが、根気よく続けていくことが大切です。特に苦手なものを好きにさせたり、慣らす事に関しては無理せず時間をかけて進め、犬の様子の変化などもしっかり判断する事が必要です。少しずつでも犬と遊べる時間を増やしていきましょう。