■はじめに
保護猫を迎えたいと考える人の多くは、「新しい家族を迎えたい」「助けたい命がある」といった温かい気持ちを持っています。しかし、同時に「自分にできるのだろうか」という不安を抱えることもあるでしょう。私たちはその気持ちに寄り添い、保護猫を迎える決断がよりスムーズに、そして安心できるものとなるようサポートいたします。
当団体「ヴァリアスカラーズ」は、浜松市を拠点に地域猫の保護活動やTNR活動(捕獲、不妊手術、元の場所へ戻す)を行いながら里親探しのため365日施設を開放しています。(ただし現在についてはご希望の方は担当者とのスケジュール調整をさせていただいております。)
さて、この記事では保護猫との暮らしの魅力や譲渡の流れなどを詳しく解説していきます。しかし、切っても切れないのが猫を手にするために思いつくペットショップの存在、ペットショップで販売する犬猫、そして保護された犬猫、さらには世間でいわれる「殺処分」といった大きな問題がとうしても関連性があるのは事実、販売のための過剰繁殖や売れ残りの問題、一方、保護猫を迎えることは、そんなペットショップの存在に疑問を投げかけることができるでしょう。実際、猫を飼いたいと考える皆様が保護猫を迎え入れることで将来多くの救える命があることをぜひ知っていただきたいです。この記事を読むことで、保護猫との幸せな暮らし方や譲渡など手続きのポイントがわかります。是非!少しでも猫ちゃんとの生活を夢見るあなたがいるのであれば、まず始めに保護猫のことについて知ってください。きっとあなたにとって新しい一歩となるはずです。
1. 保護猫を迎え入れるということ
▼保護猫に隠される様々な背景(なぜ保護された?)
「保護猫といっても様々なケースが予想されます。下記に世の中で起こりうるものをいくつかご紹介いたします。」
1. 捨て猫
飼い主が飼育を放棄した結果、猫が野外に捨てられたり、保護団体や行政へ持ち込まれるケースがあります。
原因として、引っ越しや転勤で飼えなくなった。経済的困難により飼育費用が捻出できない、思ったよりお世話が大変で「手に負えない」などと判断されることが多いです。
2. 迷子猫
室内飼育が推奨されているにも関わらず、外飼いや外出させている猫が迷子になるケースがあります。
原因として外飼い中に帰れなくなる。避妊去勢されておらず、繁殖期に遠くまで移動する。災害時(地震・台風)に家から逃げ出して行方不明になるなどが考えられます。
3. 繁殖による野良猫の増加
野良猫や外飼い猫が避妊去勢手術を受けず、繁殖して増えた仔猫が保護されるケースがあります。
原因として外飼い猫の管理不足からくる繁殖。捨て猫が増加し、その結果として野良猫の数が急増。※野良猫の生存率は低いため、弱った状態で保護される仔猫も少なくありません。
4. 高齢者や病気による飼育放棄
飼い主が高齢で飼育を続けられなくなる、もしくは病気や死亡によって放置される猫が保護されるケースがあります。
原因として後継者や引き取り先がいない。突然の入院や死亡により猫が取り残されることがあります。
5. 虐待や放置の被害
虐待やネグレクト(飼育放棄)を受けている猫が保護団体や通報によって救出されるケースがあります。
原因として無責任な飼い主がエサや医療を与えない。猫を傷つける行為が周囲に発覚するなど難しいケースではありますが動物愛護法に基づき行政や保護団体が介入し保護するケースがあります。
6. ペットショップや繁殖業者の過剰繁殖
繁殖業者が過剰に猫を繁殖させ、売れ残った猫が放置される場合があります。
原因として利益優先のため、需要を超えて繁殖させる。売れ残ったり年齢が高くなると価値がなくなるとみなされます。 業者から保護団体に引き渡されるケースが増加しているのでは?ここはあくまでも推測ではありますが現に繁殖者(ブリーダー)から保護団体が犬猫を入手することが当たり前になってる事実もあるでしょう。考え方次第ではあまりよい流れだとは思えません。
7. 野外での危険な状況からの保護
野良猫や捨て猫が事故や病気で弱っている状態で発見されるケースがあります。
原因として交通事故や怪我。病気や栄養失調で生きられない状況に陥る。緊急の保護が行われることがあります。しかし病気の場合は施設内に入れることが感染症の観点から難しいこともあります。重い病気(感染症に侵されているなど)だからこそ保護できる専用施設は必要だと個人的には強く思います。しかしながら金銭面やお世話など人員確保の観点からなかなか実行できないのがつらいです。
保護の背景に共通する課題は大きく分ければ「人間の無責任さ」に起因しているケースと、地域にいる野良猫のケースと二つのケースから分類されることが多い。適切な飼育知識の普及、野良猫に対する避妊去勢手術の徹底、そして災害時のペット対策などあくまでも上記二点のケースのどちらの対策かを整理整頓すべきだと感じます。それが猫が保護される根本的な原因を減らす鍵となっていくことだと感じます。
▼保護猫を迎えるメリット(動物愛護、命の大切さなど)
「保護猫を迎え入れるという選択の価値」
ペットを迎え入れる方法として、ペットショップで購入するのか、それとも保護猫を迎え入れるのか、多くの方が迷うかもしれません。しかし、保護猫を家族にする選択には、命の大切さを実感し、動物愛護に貢献する大きな意味があります。
まず、命を救うということ。保護猫は、不幸な状況に置かれていた猫たちです。捨てられたり、野良として生まれたために寒さや飢え、病気と闘ってきた猫も少なくありません。保護猫を迎え入れることは、そういった猫たちに新たなチャンスを与える行為であり、文字通り命を救うことに繋がります。
一方、ペットショップでは、商業的な繁殖が問題視されています。需要に応えるために、過酷な環境で繰り返し繁殖を強いられる親猫がいることをご存知でしょうか?こうした現状に目を向けると、購入ではなく保護という選択が、いかに命への責任感や愛情の深さを表しているかを感じていただけるはずです。
また、保護猫を迎えることは、動物愛護の精神を次世代へ伝える大切な機会にもなります。特にお子さんがいる家庭では、動物が置かれている現実を知り、「命の重み」や「責任を持つことの大切さ」を学ぶきっかけになるでしょう。
保護猫を迎えるという選択は、単に「ペットを飼う」だけでなく、社会や未来への貢献でもあります。一匹の猫の命を救うことは、私たちが命の尊さを理解し、行動で示す機会です。ぜひ、保護猫と新しい絆を結び、その温もりと喜びを感じてみてください。あなたのその一歩が、猫にとっても、そしてあなた自身にとってもかけがえのない未来を作ることでしょう。
▼保護猫を迎える上での注意点(性格、健康状態など)
「保護猫をご自宅へ迎え入れる際には、猫の性格や健康状態を考慮した準備が重要です。以下に注意点を挙げます。」
1. 事前準備
猫の居場所の確保: 新しい環境に慣れるまでの間、安全で静かな専用スペース(キャットタワーや隠れられる箱など)を用意してください。基本的には二段、または三段ケージは必ず準備することをおすすめします。
基本的な用品の準備: トイレ、餌皿、水飲み場、爪とぎ、寝床を用意します。猫がストレスを感じにくい環境作りを心掛けましょう。
他のペットとの相性: すでに他のペットがいる場合は、最初は隔離し、徐々に慣らしていく方法をとります。
※どうしても最初からお部屋に対しての自由飼育を熱望する方がいますが、とにかく最初の数ヵ月~数年(※猫の性格による)は、ケージを利用することでトラブルを回避でき結果的に将来お部屋内での自由飼育を問題少なく早く手に入れることになるでしょう。
2. 性格に応じた対応
警戒心の強め猫の場合: 保護猫は環境の変化に敏感で、人や音に対して警戒心が強い場合があります。最初はそっと見守り、猫が自ら近づいてくるのを待つことが大切です。ここでもやはりケージが役に立つことが多いです。危険を察知したり、身を隠そうと感じた時にお部屋のどこに隠れたのかと分からない状況を作るよりケージに逃げ込む癖をつけることが可能にするのにも、やはり警戒心が強い猫にとったらケージは大切なアイテムです。
活発な猫の場合: 好奇心が強い猫は探索したがるため、危険物(電気コード、小物、毒性のある植物など)を片付けておく必要があります。
個性を尊重: 猫の性格によって好む遊びや環境が異なります。少しずつ観察しながら、猫に合った生活スタイルを探しましょう。どちらにしても猫ちゃんとの運動、遊びはその子のストレス発散につながりますから、愛情もって多くの時間、猫ちゃんと遊んであげましょう。
3. 健康状態の確認と管理
事前の健康診断: 保護団体や動物病院で、ワクチン接種や感染症(猫白血病ウイルス、猫免疫不全ウイルスなど)の有無を確認しましょう。猫ちゃんの月齢によっては確実性がないとも言われますが多頭飼育の場合は必ず確認したい項目となります。
食事管理: 保護猫の中には、栄養状態が悪い場合や食べ物の嗜好が異なる場合があります。最初は保護団体で与えられていた餌を続け、徐々に新しい餌に慣らしていきます。決して保護団体から教わる餌=与え続けなくてはならないもの!ではありませんので、後にご家族で変更することも、その子を知るうえで大切ですから健康状態を確認しながら変更する際は実行しましょう。 ストレス管理: 環境の変化が猫の体調に影響することもあるため、食欲やトイレの様子を観察し、異変があれば早めに動物病院へ相談します。環境変化後、一日から三日以内程度は食欲や排泄が認められないこともあります。とに落ち着いて様子を見守ってみましょう。
4. 迎え入れ後の接し方
無理に触らない: 猫が自ら触れ合いを求めるまで待つことで、信頼関係が築きやすくなります。
生活スケジュール: 猫は規則正しい生活を好みます。あくまでもその子を知るまでは同じ時間に餌を与えたり、遊んだりすることで安心感を与えます。慣れてきたら、そのルーティンの変更をゆっくりと実行しても問題ありませんのでご家族の変化に伴い常に猫ちゃんと話し合いましょう。
遊びを通じた交流: おもちゃを使って遊ぶことで、猫のストレスを軽減し、飼い主との絆が深まります。
5. その他の注意点
長期的な責任: 保護猫を迎えるということは、最後まで責任を持ってお世話をする覚悟が必要です。
周囲との協力: 猫が脱走した場合の対策や、近隣トラブルの防止にも配慮しましょう。
保護猫は、過去に辛い経験をしている場合もありますが、時間をかけて向き合うことで、家族としてかけがえのない存在になります。焦らず、猫のペースに合わせた愛情ある対応をしていきましょう。また性格や健康状態に個体差があります。じっくりと猫の特性を理解し、適切なケアをすることが大切です。
▼里親になるための条件(経済状況、居住環境など)
「保護猫の里親になるための条件は団体や地域によって多少異なりますが、一般的に以下のような観点が重要視されるでしょう。」
1. 経済状況
「猫を適切に飼育し続けるためには、安定した経済状況が求められます。」
初期費用:医療費(ワクチン接種、避妊去勢手術、検査費用など)や、必要なグッズ(トイレ、キャリーバッグ、餌入れなど)を準備する費用。
継続的な費用:毎月のフード代やトイレ砂の費用、定期的な健康診断やワクチン接種費用、病気や怪我の際の治療費
例:経済的に余裕がなく、医療費を払えないであろうと判断される場合は譲渡が難しいこともあるでしょう。
2. 居住環境
「猫が安全・快適に暮らせる環境かどうかが重要です。」
住宅そのもの:賃貸の場合、ペット可であることが必須条件です。
脱走防止対策:窓や玄関から猫が逃げ出さないよう、対策が取られていること。
室内飼育の徹底:外に出すことで事故や病気のリスクが高まるため、基本的に室内飼育が求められます。
猫のスペース確保:狭い場合でも、猫がストレスなく過ごせる場所を確保することが重要です。
3. 家族構成と生活スタイル
「猫にかかわる方々が全員で迎え入れる気持ちを持つことが重要です」
家族全員の同意:同居する家族全員が猫の受け入れに賛成していること。
小さな子どもがいる場合:子どもが猫に無理な接し方をしないよう、適切な教育も必要です。
高齢者のみの世帯:万が一の場合に備え、猫を託せる人がいることが条件になることがあります。
共働きの場合:長時間不在でも猫が安心して過ごせる環境(トイレや餌の管理)を整えておくことが重要です。
4. 健康状態と責任感
「いくら猫は好きとは言ってもご家族に猫アレルギーがないことが望ましいです。まれにですが一緒に暮らしてみて初めて猫アレルギーだと知ることもあります。お試し期間などを利用し、しっかりと判断しましょう。」
終生飼育の覚悟があること:猫の平均寿命は今では15~20年であたりが見込めます。途中で飼育放棄しない責任感が求められます。
定期的な健康管理:病気や怪我の際に必要な治療を受けさるだけの余裕がることが重要です。
5. 譲渡契約の遵守
里親になるには、今まであげた内容経済的・環境的な条件を満たすだけでなく、猫の一生を責任持って見守る覚悟が最も重要です。保護団体によって条件が異なるため、具体的には譲渡団体へ直接確認することをお勧めします。
その中でも多くの保護団体では、譲渡前に以下の内容に合意することが求められることでしょう。
適切な医療ケア(避妊・去勢手術、ワクチン接種)を行う。定期的な近況報告を行う(譲渡後数か月間)。脱走対策や室内飼育を徹底する。虐待や第三者への無断譲渡をしない。 その他の確認事項として他のペットがいる場合、そのペットとの相性や飼育状況を確認されることもあるでしょうし、譲渡前に自宅訪問を行い、環境のチェックをする団体もあるでしょう。
2. 譲渡までの流れ
保護猫を譲渡してもらう基本的な流れは、一般的に以下のステップになります。団体や保護主によって多少異なることがありますので、各団体へと確認が必要です。
1. 譲渡会や保護団体に連絡・参加
保護団体や譲渡会に問い合わせたり、実際に譲渡会に参加します。何よりもまずは猫ちゃんとの出会いが必要なので保護猫ちゃんたちと出会うためにはお近くの団体または気になる団体へとお問合せしていただきご家族にとって適した猫ちゃんを見つけましょう。
2. 面談・アンケートの記入
譲渡希望者は事前にアンケートや面談を通じて、飼育環境や家族構成、飼育経験などを伝えます。
よく確認されるポイントとしては、住宅環境(ペット可の賃貸か、脱走防止策が取れるか)、飼育経験や家族の同意、経済的・時間的な余裕があるか、猫アレルギーの確認など各団体により違いはあるもののいくつか聞かれる内容について口頭または各団体専用の書類などへの記入が求められるかと思います。
3. 猫とのお見合い
実際に保護されている猫と実際に会う機会を設け、相性を確認します。ここでは眺めるだけでなく直接触れて 猫の性格や健康状態を理解し、ご自身の生活スタイルに合うか確認しましょう。可愛さだけでの判断をせずにその猫の性格含めあくまでも全体像(※その猫のバックグラウンドなど)より判断してくことが望ましいです。
4. トライアル期間(試験飼育)
ここまでくると、いざご自宅へと保護猫を迎え入れる準備です。一定期間(1〜2週間ほど)自宅で実際に猫と一緒に過ごします。
環境を変えて猫が新しいあなたの環境に慣れるか、家族や他のペットとの相性を確認するためです。ここでは脱走防止対策を徹底し猫の健康状態や食事管理に気をつけ、必要に応じ保護団体に定期的に様子を報告するとよいでしょう。
5. 正式譲渡手続き
トライアル期間が問題なく終われば、皆さまお待ちかね正式譲渡の手続きを行います。主な手続き内容は譲渡契約書の締結、譲渡費用(医療費や飼育費の一部などの支払いを要求されることもあるでしょう)の支払い。ワクチン接種、避妊去勢手術の確認、現時点での健康状況含めしっかり確認していきます。
6. アフターフォロー
譲渡後も保護団体によるアフターフォローが行われることが一般的です。定期的な報告や相談対応など遠慮なくご相談してくとよいでしょう。
■当団体(ヴァリアスカラーズ)における譲渡までの流れ
1.里親さんになろうかな?と思ったら当団体へお問い合わせを!(こちらをクリック⇒お問合せ方法はホームページ内にあります)
2.事前に見学スケジュールの決定。当保護施設へと直接お越しになり猫ちゃん見学のためのスケジュールを決めていきます
3.猫ちゃん見学と面談&当団体専用申し込み用紙記入提出をし後に行うトライアル日程を決めます。
4.お気に入り猫ちゃんを当施設までお迎え、トライアルスタート日。※当日までに飼育環境や備品の準備を画像つきで報告いただきます。
5.トライアル開始。最低2週間から最高4週間の間でご家族と一緒に生活してもらいます。問題なければ里親決定のご連絡をいただきます。
6.正式に譲渡決定、改めて当保護施設へとお越しいただき譲渡決定用紙の記入をス済ませて晴れて譲渡完了します。
7.アフターフォロー その後はどんなことでもご相談にのります。足りない情報や猫のしつけや行動の相談などを随時行っております。
3. 保護猫との暮らし
▼保護猫との生活の始め方
「保護猫との生活を始めるには、以下のステップを順番に進めるとスムーズです。猫も人も安心して新しい生活をスタートできるようにしましょう。保護猫は最初、人間や環境に警戒心を持つことが多いですが、愛情と時間をかけて接することで必ず心を開いてくれます。焦らずに、ゆっくりと一緒の生活を楽しんでください。」
1. 必需品など準備する
トイレと猫砂:猫が安心して排泄できる場所が必要です。最初はシンプルなものを選びましょう。
餌と水入れ:安定した場所に設置し、常にきれいな水を用意します。
キャットフード:保護猫が慣れているフードを確認し、栄養バランスの取れたものを用意します。
寝床や隠れ家:安心して休める場所として二段ケージまたは三段ケージ(猫用ベッドやキャリーケースなど)を提供します。
爪とぎ:家具や壁を守るために必須です。
おもちゃ:猫がストレス発散し、遊びながら運動できるものを用意します。
2. 安全な環境を作る
脱走対策:窓やドアが開いても外に出ないよう、対策を施します。
危険物の排除:電気コード、誤飲しやすい小物、観葉植物(毒性があるもの)を片付けます。
安心できる空間:最初はケージでの生活をお勧めします。その後順に1部屋、2部屋と行動範囲を増やしていくとよいしょでしょう。徐々に家全体に慣れさせる気持ちが大事です。
3. 猫との信頼関係を築く
静かに見守る:新しい環境に慣れるまで、無理に触らず猫のペースに合わせます。
声をかける:優しい声で名前を呼んだり話しかけることで安心感を与えます。
ご褒美を活用:おやつや遊び道具で野遊びでポジティブな経験を増やしましょう。
遊び時間を確保:おもちゃを使って一緒に遊ぶことで、信頼関係が深まります。
4. 健康管理を徹底する
動物病院の受診:健康チェック、ワクチン接種、内外部寄生虫の駆除、避妊・去勢手術の相談をします。
体調の観察:食欲、排泄、動き方などを日々チェックし、異変があれば早めに対応します。
定期的なケア:爪切り、ブラッシング、歯磨きなど、ケアの習慣を少しずつつけていきます。
5. 長期的な生活設計
避妊・去勢手術:猫の健康を守り、将来の不幸な命を防ぐために重要です。原則不妊手術をすることと覚えてください。
社会化:人や他の動物に慣れさせる時間を作りますが、無理強いは禁物です。とにかく焦らずゆっくりとお付き合いください。
一生のお世話:猫の寿命は今では15〜20年程度です。日々の愛情とケアを続けましょう。
6. 保護団体や支援者と繋がる
地域の保護団体や支援者と情報交換し、わからないことがあれば相談するのも良い方法です。
猫の里親になる際は、元の環境や健康状態について保護主、または保護団体から情報をしっかり受け取りましょう。
▼しつけ方や遊び方
「保護猫は、これまでの経験や環境によって警戒心が強かったり、人馴れしていない場合があります。しつけや遊びを通じて少しずつ信頼関係を築き、安心して暮らせるようサポートしましょう。環境に慣れるまで時間がかかることがありますが、遊びやしつけを通じて安心感を与えることで、少しずつ心を開いてくれます。焦らず、愛情を持って接してあげてください。」
1. しつけの基本ポイント
・トイレトレーニング
環境の整備:トイレは静かで落ち着ける場所に設置し、猫砂は使い慣れたものを用意します。(ケージを準備している場合はその中にセッティングすることでほぼトイレトレーニングは上手に覚えてくれるでしょう)
習性を利用:猫は排泄後、砂をかける習性があるため、トイレをすぐに覚えることが多いです。もし失敗したら怒らず、静かにトイレに誘導しましょう。
清潔を保つ:トイレが汚れていると使いたがらないため、こまめに掃除します。
・爪とぎのしつけ
爪とぎを用意する:猫が爪とぎをする場所(段ボール製や麻製の爪とぎ)を複数置きます。
家具保護:家具で爪をとぐ場合は、爪とぎに誘導し、成功したら褒めてあげます。爪とぎには猫が好きなマタタビを少量ふりかけても効果的です。
怒らない:叱っても恐怖心を植え付けるだけです。気長に根気よく対応しましょう。
・噛み癖や引っ掻き癖の改善
遊び方を工夫:手や足を直接おもちゃ代わりにせず、必ず猫用おもちゃを使用します。
噛んだら遊びを中断:噛んだ瞬間に遊びをやめ、「痛い」と優しく伝えることで、噛むと楽しくないと学びます。
ストレス解消:遊びや環境を整えて、猫がストレスを感じないようにします。
2. 遊び方の工夫
猫じゃらし:猫の狩猟本能を刺激するおもちゃです。動きを工夫し、虫や鳥のように素早く動かすと興味を引きます。
ボールなど:転がるボールや噛んで遊べるぬいぐるみは、ひとり遊びにも役立ちます。
トンネルや隠れ場所:トンネルや箱を使って、猫が出入りしながら遊べる環境を作ります。
知育玩具:フードを中に入れ、猫が工夫しながら取り出すおもちゃで、頭と体を使わせます。
・遊び方のポイント
1日2〜3回、短時間で:1回10分程度、集中して遊ぶことで猫の満足度が高まります。
猫のペースに合わせる:遊んでいる最中に急に触ったり抱っこしたりせず、猫の反応を見ながら進めます。
狩りの流れを意識:「獲物を見つける→追いかける→捕まえる」という流れを遊びの中に取り入れると、猫が満足します。
遊び後はご褒美:遊び終わったらご飯やおやつを与えると、狩りの達成感を感じられます。
3. しつけと遊びの注意点
叱らない:失敗したら無言で片付け、成功した時に褒めましょう。叱ってしまうより問題の原因を突き止めそれに対する対策を取った方が行動を変化させるのが早いです。
褒める習慣:良い行動をした時に「いい子!」と声をかけ、ご褒美を与えます。必ずではありませんが、よりコミュニケーションが円滑になるでしょう。
猫の気持ちを尊重する:遊びたくない時や隠れている時は無理に構わず、猫のペースを大切にしてあげることも時には必要でさることを知りましょう。
▼健康管理
「保護猫の健康管理は、新しい生活を安心して送るために非常に重要です。定期的なケアと観察を通じて、猫の健康を守りましょう。過去の生活で健康面に不安がある場合も多いです。日々の観察と適切なケアで、猫が安心して健康に暮らせるようサポートしてあげましょう」
1. 健康チェックのポイント
「毎日の観察が健康管理の第一歩です。その観察から知るべきことは健康な時の様子はどんなか?を知っておくことです。それを知るからこそ、違いに気づきます!毎日しっかり観察することを大切におもってください。」
食欲:ご飯を食べる量や水の飲み方に変化はないか?
排泄:トイレの回数や便の状態(形・色・硬さ)を確認。下痢や血便はなぜ起きたか?が想像つかない場合はより早めに受診を。
動き方:元気に遊んでいるか、歩き方に違和感はないか?
体重:定期的に体重を測り、減少や急な増加がないか確認。
被毛や皮膚:毛艶が良いか、皮膚に赤みやフケ、痒みがないか?
目・鼻・口:目やに、鼻水、口臭、歯茎の色をチェック。
呼吸:普段より呼吸が速い、苦しそうな時には、その状態がどのくらいの頻度で、どのくらいの時間かを把握して頻度が高い、長い場合はすぐに獣医へ相談。
2. 動物病院での健康管理
「新しい環境に慣れたら、早めに動物病院で健康チェックを受けましょう。」
・初診で行うこと
健康診断:血液検査、触診、聴診などで健康状態を確認します。
ワクチン接種:感染症(猫ウイルス性鼻気管炎、カリシウイルス感染症、パルボウイルスなど)を予防するために接種します。
寄生虫の駆除:内部寄生虫(回虫など)や外部寄生虫(ノミ・ダニ)を駆除します。
避妊・去勢手術:健康状態を見ながら、適切な時期に手術を行います。
・定期的なケア
年1回の健康診断:病気の早期発見・予防のために定期的に受診しましょう。
ワクチンの追加接種:年1回、定期的にワクチンを接種します。
3. 日常のケア
・適切な食事
栄養バランスの良いフード:年齢や健康状態に合わせたキャットフードを選びます。あくまでもその子の排泄や嘔吐の数、毛艶などより判断するとよいでしょう。
水分補給:新鮮な水をいつでも飲めるようにし、特に夏場は注意しましょう。あまりに水分を取らないこの場合はウェットフードを取り入れると水分摂取が増えます。
・グルーミング
ブラッシング:毛並みを整え、毛玉や抜け毛を防ぎます。短毛種は週1〜2回、長毛種は毎日が理想です。
爪切り:2週間に1回程度、爪を切ってあげましょう。
歯磨き:歯周病予防のため、猫用歯ブラシやガーゼを使って歯を磨きます。最初は少しずつ慣れさせます。
・ストレス管理
環境の変化に敏感な猫のため、静かで安全な居場所を提供します。遊びやスキンシップを通じてストレス発散を心がけましょう。
4. 病気のサインと注意点
「下記の症状が見られたら、早めに動物病院を受診しましょう。」
食欲がない、急激な体重減少、嘔吐や下痢が続く、呼吸が荒い、咳が出る、歩き方が不自然、元気がない、目や鼻からの分泌物、皮膚の痒み、トイレに何度も行くが排尿しない(尿路閉塞の可能性)などなど。これらに加えあくまでも健康な状態を知ることで違いを発見できますから、その違いを発見した際には、その後の経過をより注意深く観察すべきです。
▼よくある質問と、その回答
「保護猫との暮らしでよくある質問とその回答をいくつかご紹介します。初めての方でも安心して一緒に暮らせるよう、参考にしてください。これらの疑問に対する対応を知っておけば、保護猫との生活がよりスムーズになります。愛情と時間をかけて、猫との絆を深めてくださいね。」
Q保護猫がなかなか懐いてくれません。どうすればいいですか?
回答:保護猫は新しい環境に慣れるまで時間がかかることが多いです。焦らず、静かに見守りましょう。猫のペースを尊重し、優しく話しかけたり、おやつやおもちゃを使って少しずつ信頼関係を築いてください。これらの疑問に対する対応を知っておけば、保護猫との生活がよりスムーズになります。愛情と時間をかけて、猫との絆を深めてくださいね。
Qトイレを使ってくれないのですが、どうしたらいいですか?
回答:トイレの場所や猫砂が合わない可能性があります。トイレは静かで落ち着ける場所に置き、使い慣れた砂を使用しましょう。トイレを複数設置すると安心する猫もいます。失敗しても怒らず、静かに片付けることが大切です。
Q猫が夜中に鳴いたり、暴れたりします。対策は?
回答:猫は夜行性の動物ですが、昼間に十分遊んでエネルギーを発散させることで夜は落ち着きます。また、寝る前に軽い食事を与えると満足して静かに眠ることが多いです。不妊手術をしているか否かでも様子が違うことがありますのでご検討ください。
Q保護猫が隠れて出てきません。無理に出した方がいいですか?
回答:無理に出すのは逆効果です。猫は安心できる場所から環境を観察しているので、そっとしておきましょう。近くに水や食事を置いて、安全だと感じるように無理強いしない方がよいでしょう。時間が経つと少しずつ出てくるようになります。
Q多頭飼いを考えていますが、先住猫と仲良くなれますか?
回答:すぐに仲良くなることは少なく、慎重な対面が必要です。最初は別々の部屋に隔離し、匂いを交換することから始めましょう。ゆっくり時間をかけて慣れさせることで、トラブルを減らせます。迎え入れるタイミングでの双方の年齢や性別も関係します。ご相談ください。
Qどんなキャットフードを選べばいいですか?
回答:保護猫の年齢や健康状態に合ったフードを選びます。獣医師に相談や保護施設の職員に相談するなど意見を聞くことも大切です。栄養バランスの良いものを与えましょう。急にフードを変えるとお腹を壊すことがあるので、少しずつ慣らしてください。
Q保護猫はワクチン接種が必要ですか?
回答:はい、必要です。感染症の予防のため、最初に動物病院で健康診断を受け、ワクチンを接種しましょう。その後も定期的に追加接種を行います。
Q猫が爪を家具でといでしまいます。どうすればいいですか?
回答:猫のための爪とぎを複数用意し、家具でといだら爪とぎに誘導します。マタタビやおやつで爪とぎに興味を持たせましょう。家具には保護カバーをかけるのも有効です。
Q猫がよく吐くのですが、大丈夫ですか?
回答:毛玉が原因で吐くことはよくありますが、頻繁に吐く場合は病気のサインかもしれません。フードの変更や体調不良が疑われるので、早めに獣医師に相談しましょう。定期的にブラッシングすることで毛玉を減らせるので、それによる改善も見込めるかもしれません。
4. おわりに
皆様にとって保護猫との出会いが、あなたとそのご家族そして猫の生活を豊かにします。新しい家族として迎え入れた、その保護猫は、あなたにたくさんの「幸せ」と「ぬくもり」を届けてくれるでしょう。しかし、私たちにとってはまだ終わりません。まだまだ多くの助けを待っている猫たちがいるのです。
私たちは、ひとつでも多くの命を救い、猫たちに幸せな未来を届けるために活動しています。
この小さな命を守るために、私たちだけでは力不足です。この記事に興味をもって頂けたあなたの力が必要なのです。
是非!猫ちゃん達の里親にご興味を持って頂いたり、ご寄付やボランティアという形で、一緒に命をつなぐ仲間になりませんか?
あなたの優しさがあったおかげで救われる命があります。
必ず保護猫との出会いは、あなたとその猫の生活を豊かにします。命と向き合う経験は、大切な家族を迎えるという新しい視点を与えてくれるでしょう。どうか様々な形でご協力をよろしくお願いします。
お問い合わせ・寄付情報はこちら
■特定非営利活動法人VariousColors こちらをクリック ⇒ [公式サイト]
■保護犬猫紹介ページ こちらをクリック ⇒ [犬猫里親募集]
■ご支援・ご協力ページ こちらをクリック ⇒ [ご支援ページ]
■団体インスタグラム こちらをクリック ⇒ [インスタグラム]
5.当団体について詳しくお知りになりたい方は下記をご覧ください
▼設立の経緯
当団体、特定非営利活動法人ヴァリアスカラーズは、猫のみならず20年以上ペット業界に携わり続けている経験から「犬や猫が不幸になるのは防ぎたい」という思いで2019年に設立した団体となります。ですから殺処分の可能性がある犬猫たちを優先に保護活動を行い、新しいご家族を探してあげたいと活動しております。しかしながら現実にはそれほど簡単に物事が進むわけではありません。そこで少なくとも当施設をその子たちの生きる場所となるように終生飼育の覚悟で活動し続けています。
その中でも猫については浜松市を拠点に、地域猫や野良猫の過剰な繁殖などにおける問題に対する改善に取り組んでおります。地域猫に関してはTNR(Trap、Neuter、Return:捕獲、不妊手術、元の場所へ戻す)活動を推進し、捕獲器の貸出や不妊手術の進め方に関する相談対応を行いながら、地域住民と協力して問題解決を図っています。
上記の内容含め飼育放棄の予防や適正飼育の啓発活動も行いながら、猫や犬を取り巻く問題を根本から解決し、動物と人が共に幸せに暮らせる社会の実現を目指しております。
▼主な活動内容の詳細
・保護活動
不妊手術ができない月齢の仔猫の保護、また命の安全が確保できないと予測される環境に置かれてしまった猫を当施設にて保護し随時里親活動へとつなげる。また犬については一番に攻撃性が高く譲渡不可とされる犬たちを保護しトレーニングを積み終生飼育または新しい里親さんを見つけるべく活動することをメインに行っております。
・里親探し(施設開放)
地域の人々に保護中の犬猫を知ってもらう機会を提供するために基本的に施設を365日解放しています。(※ただし担当者と事前に日程調整が必要です)
そこで保護された犬猫と里親ご希望の方々が見学をし双方に安心して暮らせるペアを見つけ、そのご家族が飼育しやすいようにアドバイスをしています。
▼これまでの実績
これまでの実績やお金の流れなど内閣府NPOホームページ内にあるNPO法人ポータルサイトで閲覧可能です。どうぞご確認ください。
内閣府NPOホームページ内に記載 こちらをクリック ⇒ ヴァリアスカラーズ実績
では皆様また次のコラムでお会いしましょう