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2025年2月17日

犬のしつけ!上手に進めるために。~しつけ教室通っているのに!とお悩みの方へ~

しつけ教室に通っているのに… 〜犬のしつけの本質とは?〜

犬を飼うと、多くの飼い主さんが「しつけ」に悩みます。「しつけ教室に通っているのに、なかなかうまくいかない」「興奮しやすくて散歩が大変」「他の犬を見ると吠えたり飛びついたりしてしまう」といった声はよく聞かれます。しかし、犬の行動を改善するには単に命令や指示を教えるのと同時に飼い主様と犬の関係を深めることが何よりも重要です。

本コラムでは、実際のしつけの流れを振り返りながら、しつけの本質について深掘りしていきます。

 

その前に少しだけ自己紹介します

NPO法人ヴァリアスカラーズの代表理事を務めさせていただいております渥美直幸と申します。

私は20代前半に犬の訓練を学び、その後ペット専門学校の講師を続けながら、犬の訓練士として家庭犬の問題行動の改善やお悩み相談などを行ってきました。これまで多くのスタッフや飼主様に支えられ、そして何より多くの犬や猫に助けられ今があります。その感謝の思いから、42歳の時にヴァリアスカラーズを立ち上げました。小さいながらも保護施設を建設し、今に至ります。

まだまだ未熟な私ではありますが、私の残りの人生で出来ることは何か?と考え、将来もっと犬や猫を取り巻く環境がクリーンな世界として残せるように、一歩一歩前進したいと思い日々活動させていただいております。

 

~ 目 次 ~

◆1 しつけのスタート地点:犬の興奮を抑えることから

◆2 室内での基礎練習が成功のカギ

◆3 外の環境に慣れさせる:まずは小さな範囲で

◆4 誘惑に強い犬を育てる

◆5 しつけとは「関係性を築くこと」

◆6 まとめ

 

 

◆1. しつけのスタート地点:犬の興奮を抑えることから

しつけ教室を利用する飼い主さんの多くが直面する最大の課題は「犬の興奮」です。特に、散歩中に他の犬や人を見たときに飛びついたり吠えたりする問題は、多くの飼い主が苦労するポイントでしょう。

犬が興奮しやすいのは、本能的な反応が関係しています。犬は本来、周囲の刺激に敏感な動物です。特に好奇心が旺盛な子犬やエネルギッシュな犬種は、視覚や嗅覚の刺激にすぐ反応してしまいます。しかし、興奮状態のままでは適切なしつけを行うことが難しくなります。犬が興奮しすぎていると、飼い主の指示が耳に入らず、パニック状態に陥ることもあるからです。

まず最初に取り組むべきは、「犬が落ち着くための習慣作り」です。そのためには、「飼い主に注目することが楽しい」と感じさせる必要があります。しつけの初期段階では、ご褒美(おやつやボール)を使いながら、飼い主のそばにいることで得をすることを犬に学習させましょう。

この段階では、犬が自然に飼い主へ関心を持ち、「一緒にいたい」と思える関係を作ることが重要です。まずは、興奮しやすい犬の気持ちを落ち着かせ、指示を聞く準備が整った状態にしてから、次のステップに進みましょう。

 

 

◆2. 室内での基礎練習が成功のカギ

しつけを始めるとき、多くの飼い主さんが「すぐに外での問題を解決したい」と思いがちです。しかし、外の環境は犬にとって刺激が多く、いきなり屋外でのしつけを始めるのは難易度が高すぎます。しつけを成功させるためには、まず室内での基礎練習を徹底することが大切です。

●なぜ室内での練習が重要なのか?

☆誘惑が少なく集中しやすい
室内は外のように刺激が多くないため、犬が落ち着いて飼い主の指示に集中しやすくなります。

☆ 飼い主との信頼関係を築きやすい
外の世界では犬が興奮してしまいがちですが、室内で練習すれば、「飼い主の言葉を聞くことが良いことだ」と理解させやすくなります。

☆ 正しい動きを定着させやすい
いきなり外で練習すると犬の注意が散漫になりがちですが、室内で何度も繰り返し練習することで、基本の動きをしっかり覚えることができます。

●具体的な室内練習として、以下のようなステップで進めていきます。

☆おやつまたは遊び道具などご褒美を使って飼い主の指示に従う練習
ご褒美を使いながら、犬が自ら飼い主に注目する習慣をつけます。

☆ 犬が自分から近づいてくることを習慣づける
何かにつけて犬のもとに向かう癖ではなく犬が飼い主のそばにくるように、それが自然な状態になるように導きます。

☆ 動きをコントロールしながら、待つ練習を行う
「待て」の指示を出し、室内で十分ですから飼い主が少し離れても待てるようにします。

室内での練習を繰り返し、犬が「指示に従うことが楽しくなるように、そしてそれが当たり前になるように」そう感じるようになったら、次のステップとして屋外での練習に進みます。

 

◆3. 外の環境に慣れさせる:まずは小さな範囲で

室内での基礎練習を経て、次は外の環境に慣れさせるステップです。ただし、いきなり室内で出来ていたことを、外の環境でもできるハズだと望むのでなく、小さな範囲(例えば駐車場1台分のスペースなど)でかつ、犬ができるであろうレベルも少々下げる気持ちで練習を繰り返すことがポイントになります。

この段階で確認すべきポイントは

●犬がお外の環境下に興奮しても、すぐに室内で行っていたように飼い主の指示に従おうとする意識に戻れるか?

●そもそも室内と違って随時、移り変わる環境の変化に適応できるか?

●そして、そのお外の誘惑があっても室内時と同様に集中を維持できるか?

特に、外の環境は犬にとって刺激が多く、興奮しやすいため、最初は多くを求めずどんな行動が出るのか?よく見極めることです。そしてその癖を判断出来たら、その後は改善するためにどのようにアプローチすべきか?と考えていきましょう。そのすべてに共通することは①高望みしないこと、②そして繰り返し練習すること、③余裕が出て来たら難易度を上げていくこと。これら三つはどんな問題の改善にも共通して理解しなくてはならない大事な心構えみたいなものです。

 

 

◆4. 誘惑に強い犬を育てる

室内や外の特定の環境で落ち着いて行動できるようになったら、次のステップとして「誘惑のレベルを徐々に上げる」ことが重要です。そのためには同じお外であっても、自宅前程度の場所から練習を繰り返し、犬の出来具合いが室内同様にできるようになり次第、徐々に自宅前以外の環境へと広げていくようなイメージを持ち続けて練習を繰り返すことが望ましいでしょう。

例えば・・・

●他の犬との距離を縮める練習
最初は遠くから観察させ、徐々に距離を縮める中で今まで同様に飼い主に注目し指示に従うことができるかどうかを見極める必要があります。そしてその出来る出来ないの距離間を正しく見極め、その境界線付近での練習をより多く繰り返し練習していくことで、他の犬との距離を縮めても犬の落ち着きや指示に従おうとする気持ちを保ち続けることができるでしょう。

● 人混みでの練習
公園やショッピングエリアなど、人が多い場所でも落ち着いて行動できるようにする。ここについても上記に記した考え方を必要とします。さらには人込みといっても場所選びを正しく行うことで定期的に人が来る場所もあれば、随時人が来る場所もあるでしょう。このようにその場所ごとにどんなタイプの人が集まりやすく、自宅の犬がどの程度までの人込みであれば室内練習時と同様に犬が指示に従うことができるのか?と考える必要があるでしょう。

このプロセスを踏むことで、犬は「どんな環境でも同じルールが適用される」と理解しやすくなります。

 

 

◆5. しつけとは「関係性を築くこと」

しつけの最も大切な本質は、「犬と飼い主の関係を築くこと」です。お座りや伏せを覚えることも重要ですが、実はその見た目、出来た出来ていないというより、それ以上に「飼い主の存在を意識し、指示に従いたいと思わせているか?」がしつけの成功につながります。

もし「しつけがうまくいかない」と感じる場合は、単に指示を増やすのではなく、まず「犬が飼い主を信頼し、期待する関係を築く」ことに意識を向けてみましょう

それはいったいどこから湧いて出てくるのか?

それは、ただただ飼い主が犬に対して常に一定な態度で付き合い従わせるべき時には必ず従わせ、褒めるときには必ず褒めるといった当たり前を繰り返し行うことです。それらの繰り返しが犬にとったらわかりやすい一つの大きなコミュニケーションとなるのです。

結果、犬は飼い主に安心感を抱き、指示に対する褒めの期待感を持つようになります。

 

 

◆6.まとめ

しつけは焦らず、段階的に行うことが重要です

室内練習→誘惑物が少ない外の環境選び→誘惑物が多い外の環境選び→本格的にどこへでもお散歩に出かけていくステップへと順にアップさせていくことです

しつけの本質は、指示に従わせるんだ!!を教えることではなく、犬との信頼関係を築くために指示を繰り返し練習すると考えましょう。いつも「一定の指示→それに従う→褒められる」の一連の流れを犬に気づかせる事で飼い主の指示に従いたい、次は何をすればよい?と犬が喜んでそれらを期待するようになります。

しつけは一朝一夕ではなく、少しずつ積み重ねるものです。愛犬と共に、楽しみながらしつけを進めていきましょう!

 

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