Various Colorsからのお知らせ

2025年8月16日

「一人暮らしで犬を飼おう!」と考えることがあるかもしれないが・・・

こんにちは。NPO法人ヴァリアスカラーズの渥美です。私たちは、行き場のない犬や猫の保護・譲渡活動を日々行っています。保護の現場では、日々「飼えなくなった」という理由で持ち込まれる犬猫の相談が後を絶ちません。その背景には、安易な飼育開始や生活環境の変化、そして一人暮らし特有の事情も、もちろん大きく関わっています。

この記事では、
・一人暮らしで犬を飼うとどんな現実が待っているのか
・なぜ私は「飼うべきではない」と考えるのか
・それでも飼う場合に最低限考えてほしいこと

これらについて、保護活動をしてきて見てきたリアルな経験を交えながらお伝えします。犬を迎える前に知っておくべき現実を理解し、命を守るために本当に適切な選択ができるきっかけになれば幸いです。

本題の前に少し自己紹介

NPO法人ヴァリアスカラーズの代表理事を務めさせていただいております、渥美直幸と申します。
私は20代前半に犬の訓練について学び、その後ペット専門学校の講師を続けながら、犬の訓練士として家庭犬の問題行動の改善や、お悩み相談などを行ってきました。

これまで多くのスタッフや飼主様に支えられ、そして何より多くの犬や猫に助けられて今があります。その感謝の思いから、42歳の時にヴァリアスカラーズを立ち上げました。小さいながらも保護施設を建設し、今に至ります。

まだまだ未熟な私ではありますが、私の残りの人生で出来ることは何か?と考え、将来もっと犬や猫を取り巻く環境がクリーンな世界として残せるように、一歩一歩前進したいと思い日々活動させていただいております。

 

▢コラム「一人暮らしで犬を飼う」目次▢

はじめに:なぜ私は「飼うべきではない」と考えるのか

第一章:一人暮らしで犬を飼う条件の現実

第二章:一人暮らしで飼育可能なケースとは?

第三章:私が「飼うべきではない」と考える具体的理由

第四章:それでも飼うなら、最低限考えるべき対策

終章:結論-慎重な検討と責任こそが命を迎える鍵

 

はじめに:なぜ私は「一人暮らしで犬を飼うべきではない」と考えるのか

犬は人生のかけがえのないパートナーです。私もその魅力を誰より知っています。だからこそ、一人暮らしで犬を飼うことには強く慎重になるべきだと思うのです。 保護現場では、「飼えなくなった」理由で手放される犬が後を絶ちません。仕事、病気、引っ越し、経済的負担など、予想外の出来事は必ず訪れます。その時、犬の命を守れるのは飼い主様の対応次第です。一人暮らしでは、その責任は想像以上に重く長く続くのです。 私は安易な気持ちで犬を迎えてほしくありません。このコラムでは、その理由と現実をお伝えします。

 

 

第一章:一人暮らしで犬を飼う条件の現実

ペット可物件への制約と費用負担(賃料・敷金など) ペット可物件は数が少なく、家賃や敷金は割高です。そこに毎月の食費や医療費が加わり、想像以上の経済的負担がのしかかります。

日々の世話に必要な時間と注意力(散歩、しつけ、健康管理など)
犬は毎日散歩が必要で、しつけや健康管理にも時間と注意が欠かせません。疲れていても、雨の日でも、世話は休めません。

万が一の対応を担える心構え(病気・旅行・飼い主の不在時など)
さらに、病気や旅行、突然の入院など、万が一の時に預け先を確保できる準備と心構えが必須です。これらすべてを一人で背負う覚悟がない限り、犬との生活は続けられません。

私の経験上、犬との生活を始め飼い主様の人生に何も起きなければ、それなりの愛情と飼育は可能だと思います。がしかし、「人生に何も起きなければ」ここが問題で保護のご相談を受ける時には必ずその飼い主様に何か起きた時なのです。その時に犬にかかるお世話の負担、費用の負担などを考え真っ先にその犬との関係を断ち切ろうとする人を見てきているのです。

それが現実、だからその変化を受け止めるだけの強さがなければ最初から犬を飼うべきではないのです。それが一人暮らしであればなおさらということ。

 

 

第二章:一人暮らしで飼育可能なケースとは?

一人暮らしでも、限られた条件がすべてそろえば犬との生活は不可能ではありません。例えば、小型で比較的しつけやすく、性格が穏やかな犬種を選び、幼い頃から無駄吠えやトイレの習慣をしっかり身につけさせている場合など人との暮らす上でのトラブルがほぼない、またはしつけをする絶対的な自信がある場合。

留守番中の寂しさやストレスを和らげるために、毎日十分な運動をさせ、室内には安心できる場所やおもちゃを用意。さらに、留守番カメラや自動給餌器で安全管理を行い、急用や病気の際には預けられる「家族や友人、ペットシッターなど」がすぐ動ける体制を整えておくことが出来ている場合。

これらの条件をすべて満たすのは簡単ではありません。仕事の繁忙期や体調不良、予想外の出費など、日々の生活の変化に耐えられる環境を維持することは、一人暮らしにとって大きな挑戦です。だからこそ、一人暮らしで飼育可能だ!!といった、このケースは“例外的”であることを理解する必要があります。

犬を飼おうとするそのタイミングで、上記内容を確認すれば、どなたも上記内容は大丈夫だ!と必ず言います。それが嘘だとはいいません!がしかし、その状態が長くて20年弱ほど続きます。果たして本当にそれら「大丈夫」を続けることは出来るでしょうか?・・・だからやはり一人暮らしで犬を飼う=かなり特殊なことであることを理解してほしいのです。結果、被害にあうのは、その犬そのものなのですから。

 

 

第三章:私が「飼うべきではない」と考える具体的理由

正直に言いましょう。犬を飼えば、あなたの生活は確実に変わります。
夜遅くまでの外出や急な旅行は難しくなり、どんなに疲れていても毎日の散歩や世話は欠かせません。休日の予定も「犬を置いていけるか」が最優先。自由だった時間は大きく制限されます。

そして、もっと深刻なのは“万が一”です。突然の病気やケガ、入院や転勤そんな時、誰が犬の命を守りますか? 預け先が見つからない不安、治療費や介護費の負担、そして何より「守れないかもしれない」という精神的な重圧がのしかかります。

飼いたい気持ちは否定しません。でも、この現実を冷静に考えれば、一人で背負うにはあまりにも重いと、きっと誰もが思うはずです。

どれほど言っても誰も将来のことはわかりません。ですから現在のみをイメージして犬を飼えると感じてしまうかもしれません。しかし本当に犬を飼うことに対して一人ですべてを対応するには無理がある事実を知ってほしいのです。

そもそも保護の依頼の中にはご家族で飼育してきたがご家族の結婚や急な不幸、そんなライフスタイルの変化に伴い一人で犬を面倒みなければならない環境に置かれた瞬間より飼育不可能となってしまうのです。

 

 

第四章:それでも飼うなら、最低限考えるべき対策

どうしても犬を迎えたいなら、日常と緊急時の両方に備える準備が欠かせません。留守番カメラや自動給餌器は、外出中の安全確認や食事管理に役立ちます。しかし、それだけでは十分ではありません。

本当に重要なのは、急な病気や入院、長期の出張といった“想定外”に対応できる体制です。信頼できる家族や友人に預けられる関係を日頃から築くこと、あるいはペットホテルやペットシッターなどのサービスを利用できるだけの資金を常に確保しておくこと。これが飼育継続の絶対条件です。

正直、あなたに何かあったときに犬のサービスの利用もしくは他で住むお身内の協力を得ることができるとなると、一人暮らしで犬を飼うことに対して必ずしも否定できなくなります。

犬を守るのは、「あなたの覚悟と、協力者や資金という現実的な備え。」この2つがそろって初めて、一人暮らしでも犬と暮らす土台ができます。

ただし犬を思うと、あなたのアクシデントに合わせて、急な生活環境の変化や知らない人ととの生活が始まります。いくら資金や協力者がいるといっても、犬のことを思うと何一つとして一人暮らしで犬を飼っても良いと胸を張ることはできませんが。

 

 

終章:結論-慎重な検討と責任こそが命を迎える鍵

犬を迎えるということは、ただ「かわいい」や「寂しいから」という理由で決めていいことではありません。命を預かるということは、10年以上20年先の未来まで見据え、その間に起こるあらゆる出来事に責任を持ち続けることです。

その責任は、楽しい時間だけでなく、病気や老い、別れの時まで含まれます。かわいさの裏には、日々の世話や制限、経済的負担、そして時に涙が伴います。それでも守り抜く覚悟があるか?その問いに胸を張って「はい」と言える人だけが、犬と暮らす資格を持つのです。

一度迎えた命は、途中で手放すことはできません。慎重な検討と揺るがぬ責任感こそが、その命を最後まで輝かせる唯一の鍵なのです。

保護現場を経験する私から言えることは、人が都合よく飼育し、そしてあなたに何かあった場合、それすら都合よく言い訳しながら犬を手放そうとする。そんな方々が存在するのですから飼い始めるその瞬間!「やはり犬を飼わない」といった選択肢を今一度考えてほしいと切実に思います。

支援・応援のお願い

   

私たちヴァリアスカラーズは、こうした現実に向き合いながら、行き場を失った犬や猫の命を守り、新しい家族へつなげる活動を続けています。
しかし、この活動は私たちだけの力では続けられません。医療費や食費、施設維持費など、どれも命を守るために欠かせないものですが、日々大きな負担となっています。
もしこの記事を読み、「犬や猫の未来を守りたい」と少しでも感じていただけたなら、どうか私たちの活動を応援してください。
ご寄付は、一頭でも多くの命を救うための医療や生活費に大切に使わせていただきます。私たちの目指すのは、どの命も最後まで愛され、安心して暮らせる社会です。その実現には、あなたの力が必要です。小さな一歩が、大きな命の支えになります。

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