動物保護施設で寄付がどのように使われ、動物たちの支えになっているのか知りたい方へ。
このコラムでは、寄付の具体的な使い道と、現場で本当に必要とされている支援について
わかりやすく解説します
■本題の前に少し自己紹介
こんにちは✨
私は、動物のことを学ぶ専門学校を卒業し、NPO法人ヴァリアスカラーズ で働きはじめてまだ1年ほどのスタッフです。
動物が大好きで、この場所で毎日たくさんのことを学びながら、
保護された子たちのお世話に向き合っています。
このコラムも、私自身が勉強を続けながら、皆さまと同じ目線で「寄付がどのように役立っているのか」
一緒に知っていけたらという思いで書いています。
□コラム「動物保護施設の寄付は何に使われる?寄付の使い道と必要な支援を徹底解説」目次□
第一章:動物保護施設に寄付が必要な理由とは?
第二章:動物保護施設の寄付は何に使われる?
第三章:金額別、寄付金でできること
第四章:寄付が支えている、いまを生きる
第五章:お金だけじゃない!あなたにできる支援方法
第六章:動物保護施設への寄付方法・あなたの寄付が“命をつなぐ理由”
【第一章:動物保護施設に寄付が必要な理由とは?】
■1-1動物を取り巻く現状
日本では毎年、多くの犬や猫がさまざまな事情で行き場を失っています。迷子、ブリーダー放棄、多頭飼育崩壊といった問題に加え、飼い主側の生活環境の変化によって手放されるケースも少なくありません。
最近では特に、
- 離婚や家庭環境の変化で飼えなくなる
- 転勤・引っ越しでペット可物件が見つからない
- 家族にアレルギーが出てしまった
- 経済的に継続飼育が難しくなる
- 攻撃性や問題行動が強まり、家庭での飼育が困難になるといった、人間側の事情が理由で手放されるケースが増えています。
とくに攻撃性の問題は、本来の気質、過去の虐待やトラウマ、社会化不足などが背景にあり、家庭環境では対応が難しい場合もあります。
その一方で、保護される動物たちは、
- 病気やけがを抱えている
- 栄養状態が安定していない
- 社会化(人や他の動物との関わり)が十分でないというような、心身ともに厳しい状況で保護されることが少なくありません。
だからこそ、保護施設に来た瞬間から、医療とケア、安心できる環境が必要になります。

■1-2保護施設が抱える問題
保護施設には、動物を守る場であると同時に、日々さまざまな「問題」と向き合い続ける現実があります。
相談や保護依頼は途切れることがなく、スペースが空いている限り、できるだけ受け入れようとします。
しかし、受け入れてもすぐに里親が見つかるわけではありません。
むしろ長く時間がかかる子のほうが多く、ときには「この子は最後までここで暮らすかもしれない」そう覚悟して保護することもあります。
さらに、保護される動物の多くは心身に不安や問題を抱えています。
病気やケガ、社会化不足、過去の経験による不安や強い反応など・・
こうした子のケアには時間も医療も手間も必要です。
しかし施設の人員は限られており、十分な人手を確保できないこと自体が大きな問題になっています。
1頭1頭にかけたい時間があっても、現実には追いつけないこともあります。
こうした問題に向き合いながら、施設はそれでも目の前の命を諦めません。
■1-3行政と民間施設の役割の違い
行政(保健所・動物指導センター)と民間の保護施設では、担っている役割が大きく異なります。
行政の役割は「短期的な保護と地域の安全管理」です。
迷子動物の収容や危険な状況の動物の一時保護など、その地域で起きた問題に迅速に対応することが求められます。
制度や設備の制限があるため、長期間の受け入れは難しいのが現実です。
一方、民間の保護施設は「長期的なケアと生活の再建」を担っています。
治療、心のケア、社会化のサポート、譲渡活動、そして状況によっては終生飼育まで。
行政では対応しきれない部分を民間が引き受けています。
しかし行政は、民間がどれほどの数を受け入れ、どれだけ時間や労力をかけているかを詳しく発言することはほとんどありません。
そのため、民間施設の努力や負担は外から見えにくく、知られないままになってしまうこともあります。
行政と民間はそれぞれ違う役割を持っています。
その中で民間施設は、行き場を失った動物たちの「暮らしそのものを支える場所」として、静かに、そして確実に役割を果たしています。
【第2章:動物保護施設の寄付は何に使われるのか】
第1章でお伝えしたように、
保護施設には、行き場を失った動物たちが集まり、それぞれの背景や心身の状態に合わせて日々ケアが必要になります。
その子たちが「安心して暮らす」ため、そして「もう一度家庭での生活へ向かう」ためには、医療・食事・生活環境・広報・緊急対応など、たくさんの支えが必要です。
ここでは、寄付がどのように使われているのか、主な使い道をご紹介します。
■2-1 医療費
保護される動物たちの中には、健康面でケアが必要な子が少なくありません。
長いあいだ十分な治療を受けられなかったり、生活環境の変化によるストレスで体調を崩していたり、保護時点で病気やケガが見つかるケースもあります。
そのため、受け入れた直後から診察・検査・治療・投薬が必要になることがあり、治療が数週間〜数ヶ月に及ぶ場合も珍しくありません。
また、行動面に不安を抱えている子は、ストレスや恐怖が体調に影響することもあり、心と体の両方に寄り添う医療ケアが欠かせません。慢性的な持病を抱えていることも多く、毎月の薬代や通院費用が積み重なっていきます。
助けたい気持ちだけではどうにもならない部分が、医療には確かにあります。
だからこそ、寄付によって医療費が支えられることは、「その子が生き続けるためのチャンス」に直結する力になります。
■2-2食費
毎日のお世話の中で、もっとも欠かせないもののひとつが食事です。
保護される動物たちの中には、年齢や体質、病気の有無によって、必要とするフードがまったく違う子もいます。
高齢で消化の良いフードが必要な子、アレルギー対応のフードしか食べられない子、体重を増やしたい子や、逆にコントロールが必要な子ー”その子に合う食事を選ぶこど”は、命を守るケアそのものです。
私が施設で働いていて実感したのは、フードやミルクが想像以上のスピードで減っていくこと。
一袋を開けたばかりでも、数日たつと「あれ?もう半分?」と驚くことが本当に多くて、頭数が増えるほどそのペースはさらに上がります。
だからこそ、食費への寄付は”その子に必要な食事を途切れさせずに届けるガ”になっています。

■2-3生活用品(消耗品)
清潔で安心できる環境を保つために、
ペットシーツ、猫砂、タオル、消毒液、洗剤などの生活用品は欠かせません。
これらは「毎日決まった量を使う」というより、動物たちの体調や不安の状態によって必要量が変わるのが特徴で、予想より多く使う日もあります。
生活用品は、動物たちの “今日の安心”を支えるために必要なものです。
■2-4施設維持費(光熱費・修繕費)
施設を安全に保つためには、空調・水道・電気などの光熱費が欠かせません。
特に体調が安定しない子もいるため、温度管理を妥協することはできません。
またケージや扉の修理、防護のための補強など、予期せぬ修繕費が必要になることも多くあります。
これらは、一見「命に直接関係ない部分」に見えますが、動物たちが安心して暮らせる環境そのものを支えています。
■2-5緊急保護・レスキュー対応
動物の保護は、いつも予定通りに進むわけではありません。
突然の相談や、急を要する状況での保護依頼が入ることもあり、
そうしたケースでは 事前の準備ができないまま動く 必要があります。
その場合は必要な備品など、“その場でそろえなければならない費用”が一気に発生します。
寄付によって緊急保護が支えられることで、「助けが必要なその瞬間」に動ける力になります

【第3章 金額別・寄付金でできること】
寄付は大きな額でなくても、「いま必要なものを途切れさせない力」になります。
ここでは、一般的な保護施設でどのくらいの金額でどんな支援ができるのか、
イメージしやすい形でご紹介します。
■3-1 1,000円でできること
1,000円は、小さな支援に思えるかもしれません。でも、保護施設では“毎日必ず使うもの”をそろえる力になります。
たとえば──
- ペットシーツ1パック
- 猫砂1袋
- 子猫用ミルク数回分
- 清掃に使う消毒液や手袋などの消耗品
こうした日用品は、動物たちの安心できる生活を守るために欠かせません。
「今日の1日を支える」ための大切な力になる額です。
■3-2 3,000円でできること
3,000円になると、“ひとりの子の生活を支える” ことができる金額になります。
例として──
- 一頭分のフード1袋
- 子猫・子犬用ミルクのまとめ買い
- 軽い症状の治療で必要な薬代の一部
- 洗剤・タオルなど、衛生用品の補充
日々のケアの質を落とさずに続けていくために、中規模の寄付がとても心強い支え になります。
■3-3 5,000円〜でできること
5,000円以上の寄付は、“命をつなぐ場面” に直接関わる支援へとつながります。
たとえば──
- 保護直後に必要な検査・通院の費用の一部
- 怪我や体調不良の治療費
- 多頭数の生活用品のまとめ補充
- 警戒心が強い子の環境改善(ケージ補強・仕切りの設置など)
保護された子たちは、それぞれに違う背景を抱えています。
その子に必要なケアを妥協せずに行うために、まとまった金額の寄付は大きな助けになります。
▼当団体、例はこちらから▼
■3-4 継続寄付の強い効果
毎月の定期的な寄付は、施設にとって「未来を守る支え」になります。
- 医療費やフード代の見通しが立つ
- 必要な環境整備が計画的にできる
- 心身に不安を抱えた子にも、時間をかけて向き合える
単発の寄付ももちろん大きな力ですが、継続的な支援は “救える命そのものを増やす後押し” になります。
寄付は金額の大小ではなく、「その子のために使われる大切な一歩」です。

【第4章 寄付が支えている、いまを生きる】
当施設には、寄付によって“いま”を生きている子がいます。
そのひとりが、11歳の保護犬「ミルク」です。
ミルクは咳や呼吸の異常から検査を受け、「拡張型心筋症」と診断されました。
心臓は大きく膨らみ、肺の状態も悪化し、血液検査も厳しい数値でした。
「長くは難しい」と告げられるなか、薬を飲みながら穏やかに過ごせる時間を大切にしています。
里親さんを探すことが難しい状況の中でも、ミルクが残された時間をできるだけ安心して過ごせるよう、
私たちは毎日寄り添っています。
そして、こうして必要な医療を続けてあげられているのは、皆さまからいただくご寄付と応援があるからです。
寄付は、未来のためだけでなく、「いま、この瞬間を生きる命」を支えている力 でもあります。

【第5章 お金だけじゃない!あなたにできる支援方法】
動物保護施設を支える方法は、寄付だけではありません。
「できる形で、できる範囲で」関わっていただくことが、大きな力になります。
■5-1 物資の寄付
フード・ペットシーツ・猫砂・タオル・洗剤など、日々消耗するものはどれも欠かせません。
1つでも届くと、施設にとって本当に心強い支えになります。
■5-2 SNSでの情報拡散
投稿のシェアや「いいね」をするだけでも、
保護動物の存在を知ってもらうきっかけになります。
興味を持つ人が増えるほど、譲渡につながるチャンスが広がります。
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■5-3 募金箱の設置や周囲への紹介
お店や会社に募金箱を置いていただいたり、施設の存在を周りに紹介していただくことも大きな支援です。
一人では届かなかった応援が、たくさんの人に広がっていきます。
お金ではなくても、あなたの行動ひとつひとつが、命を支える力になります。
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【第6章 寄付の方法と、あなたへのメッセージ】
■6-1 Amazon欲しいものリスト
施設が本当に必要としている物資を、選んでそのまま送ることができます。
フード・猫砂・タオルなど、足りなくなりやすいものを補う大切な支えです。
▼ヴァリアスカラーズ Amazon欲しいものリストはこちらです▼
■6-2 定期寄付(毎月のサポート)
少額でも“毎月”という形になることで、
医療や環境維持の見通しが立ち、救える命が確実に増えていきます。
施設にとって、もっとも心強い応援です。
■6-3 遠方からでもできる寄付
SNSシェアや寄付など、距離に関係なくできる支援もたくさんあります。
「気にかけてくれる人がいる」という事実そのものが力になります。
■最後に──あなたの支援が、命をつなぐ理由
寄付は金額の大小ではありません。
1回の寄付も、毎月の支援も、物資ひとつも、すべてが“その子の今日の暮らし”を守っています。
安心して眠れる夜、しっぽを振れる朝、もう一度人を信じようとする瞬間。
それらはすべて、あなたの行動がつくった未来です。
そして、私たち NPO法人ヴァリアスカラーズ も、そうした想いを受け止め、日々信頼に応える活動を続けています。
この記事が、あなたにとって「大切な団体を選ぶきっかけ」となれば嬉しく思います。
【~ご支援・ご協力のお願い~】
私たちヴァリアスカラーズは、こうした現実に向き合いながら、行き場を失った犬や猫の命を守り、新しい家族へつなげる活動を続けています。
しかし、この活動は私たちだけの力では続けられません。医療費や食費、施設維持費など、どれも命を守るために欠かせないものですが、日々大きな負担となっています。
もしこの記事を読み、「犬や猫の未来を守りたい」と少しでも感じていただけたなら、どうか私たちの活動を応援してください。
ご寄付は、一頭でも多くの命を救うための医療や生活費に大切に使わせていただきます。私たちの目指すのは、どの命も最後まで愛され、安心して暮らせる社会です。その実現には、あなたの力が必要です。小さな一歩が、大きな命の支えになります。
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