Various Colorsからのお知らせ

2026年6月17日

飼育放棄された動物たちはどこへ行くのか

地域の中で暮らす動物たちの問題は、身近でありながら見えにくいものでもあります。

中でも飼育放棄は、特別な出来事ではなく、さまざまな理由から起きている現実です。

そしてその先には、行き場を失った動物たちの存在があります。

 

本題の前に少し自己紹介

こんにちは✨ 私は動物の専門学校を卒業し、現在はNPO法人ヴァリアスカラーズで、動物に関わる仕事をして1年になります。 私自身幼い頃、家で動物を飼っていたわけではありません。それでも、動物の存在に自然と惹かれていました。 思い返してみると、そのきっかけは、友人の家にいたワンちゃんだったと思います。 つらい時や気持ちが沈んだ時、そのワンちゃんと過ごす時間に癒され、気持ちが少し軽くなることがありました。 それが、私にとって動物を「好きだ」と気づいた最初のきっかけでした。 動物と関わりたいという思いから、高校では農業系の学校に進み、畜産動物と触れ合いながら、命について学び命を育てること そして命に責任を持つことの重さを、そこで実感しました。 その後、動物の専門学校で動物について学び、現在は現場で動物たちと向き合う立場になり、学ぶ側から、 実際に命に関わる側になり動物と向き合うことの難しさや、簡単に答えが出ない場面があることも知り現在に至ります。このコラムでは、飼育放棄が起きる背景や、手放された動物たちの行き先について整理しながら、保護施設で実際に向き合っている現実についてお伝えしていきます。

 

□コラム「飼育放棄された動物たちはどこへ行くのか」□目次

第一章 なぜ飼育放棄は起きるのか

第二章 手放された動物たちはどうなるのか

第三章 なぜすべてを救うことはできないのか

第四章 保護施設で実際に起きていること

第五章 1匹の命にかかる現実

おわりに あなたの力が必要です

 

 

第一章|なぜ飼育放棄は起きるのか

飼育放棄と聞くと、無責任な行動という印象を持つ方もいるかもしれません。
しかし実際には、その背景は一つではなく、さまざまな理由が重なって起きています。

たとえば、飼い主の高齢化や体調の変化によって、それまでできていたお世話が難しくなることがあります。
また、引っ越しや家族構成の変化、仕事や生活環境の変化などによって、飼い続けることができなくなるケースもあります。

さらに、「思っていたより大変だった」という理由で手放されることもあります。
しつけや問題行動に悩み、どう関わればいいのか分からなくなってしまうことも少なくありません。

こうした出来事は特別なものではなく、日常の延長線上で起きています。
だからこそ、飼育放棄は一部の人だけの問題ではなく、誰にでも起こり得る現実でもあります。

そして、飼えなくなった動物たちは、その時点で行き場を失います。
その後どうなるのかについては、あまり知られていない部分でもあります。

Sad senior woman sitting on sofa at home with hands on face, her cavalier king charles dog comforts her worried. Retired elderly lady and pet therapy concept

 

 

第二章|飼えなくなった動物たちはどうなるのか

飼育放棄が起きたあと、動物たちはすぐに行き先が決まるわけではありません。

まず相談先として多いのは、動物愛護センターや行政機関です。

状況によっては引き取りが行われることもありますが、すべての動物が受け入れられるわけではありません。

また、保護団体へ相談が来るケースもありますが、どの団体もすでに多くの動物を抱えており、すぐに受け入れられるとは限らないのが現実です。

そのため、行き先が決まらないまま時間が過ぎてしまうこともあります。

実際に、愛護センターや保護団体へ寄せられる相談の中には、引き取り先が見つからず、そのまま飼育を続けることが難しくなってしまうケースもあります。

十分なケアが行き届かない状態が続いてしまったり、環境が整わないまま過ごすことになることもあります。

こうした状況の中で、動物たちは本来の暮らしとは違う形で生活を続けることになります。

飼えなくなったあとには、「必ず次の行き先がある」というわけではありません。その現実の中で、多くの動物たちが行き場を探し続けています。

Sad brown dog behind wire fence looks out from kennel enclosure. Lonely abandoned canine waits for adoption hoping for forever home, feels despair.

 

【ここでの私の気づき】

実際に、引き取りの相談があり、当団体で保護した犬がいます。「ラムくん」という子です。保護当時は、被毛が固まりになってしまうほど毛玉だらけの状態で、体には汚れや絡まりが残り、日常的なお手入れがほとんどされていなかったことが分かる状態でした。こうした状態は、特別なものではありません。飼育放棄は、ある日突然起きるものだけではなく、少しずつお世話が行き届かなくなり、そのままの状態で過ごし続けてしまう中で起きていくこともあります。そしてその背景には、離婚や病気、生活環境の変化など、さまざまな事情が重なっていることもあります。ラムくんは、その一つの例に過ぎません。同じように、見えないところで、適切なお世話を受けられないまま過ごしている動物がいること。それが、私たちが向き合っている現実です。

     保護当初               

     現在

 

 

第三章|なぜすべてを救うことはできないのか

飼育放棄によって行き場を失う動物がいる中で、すべての命に手を伸ばせているわけではありません。

理由は一つではなく、いくつもの現実が重なっています。

そもそも、飼育放棄の状態にある動物が、すべて保護や相談につながっているわけではありません。
周囲に気づかれないまま、適切なお世話がされない環境で過ごしているケースもあります。

外からは見えにくい場所や、人との関わりが少ない環境の中で、そのままの状態が続いてしまうこともあります。

また、問題として認識されるまでに時間がかかり、
ようやく相談につながる頃には、状態が大きく変わってしまっていることもあります。

その間にも、体調を崩したり、十分なお世話がされないまま状態が悪化してしまうことがあります。

そして、相談につながったあとも、すべてを受け入れられるとは限りません。

保護された動物には、その後の生活があります。日々のお世話や体調の管理、治療を続けながら過ごしていく必要があります。

里親さまがすぐに見つかるとは限らず、長く施設で生活することや、終生飼育となる場合もあります。

一匹を受け入れるということは、その先の生活を支え続けていくことでもあります。

それでも、すべての命に手を伸ばすことはできません。見えている命だけでなく、見えないままの命もあること。

そして、目の前にあっても救えない命があること。その両方が重なっていることが、すべてを救うことができない理由の一つです。

Adorable mixed-breed puppy being held by a caregiver, surrounded by fellow canine friends in the background.

 

 

第四章|保護施設で実際に起きていること

保護施設では、動物を引き取った時点で終わりになるわけではありません。そこから、その子の生活を支え続ける時間が始まります。

治療が必要な子、高齢で長期的なケアが必要な子、人に慣れておらず譲渡が難しい子。
そうした動物たちは、すぐに新しい家族が見つかるわけではなく、長い時間を施設で過ごすことになります。

中には、そのまま施設で最期まで暮らす、終生飼育となるケースもあります。

一匹を受け入れるということは、その子の「今」だけではなく、その先の暮らしごと引き受けることでもあります。

そして、その間にも新たな相談は止まりません。

飼えなくなった、引き取り先がない、期限があり、このままでは殺処分になるかもしれない。

そうした連絡は、全国の保護施設に日々届いています。

助けたい気持ちはあっても、すでに抱えている動物たちの生活があります。

一匹を受け入れれば、その分だけ次の受け入れは難しくなる。それでも、目の前には次の命が待っています。

受け入れても終わらない。
受け入れなくても終わらない。

この終わりの見えない繰り返しの中で、現場は続いています。

保護施設で向き合っているのは、一時的な保護ではなく、その先も続いていく現実です。だからこそ、その環境を維持し続けることが必要になります。

Young Woman Hugging Dog in Shelter with Warm Lighting and Cage Background

 

 

第五章|1匹の命にかかる現実

保護施設で動物たちの生活を支えていくためには、継続して多くの費用がかかります。

保護された時点で、すでに体調を崩している子も少なくありません。痩せていたり、皮膚の状態が悪かったり、咳が続いていたり。
まず必要になるのは、その子がこれから生活していくための治療です。

初期の検査やワクチン、避妊去勢手術に加え、持病があれば通院や投薬も続いていきます。

一匹の医療費が、数万円から十万円を超えることも珍しくありません。けれど、本当に続いていくのはその先です。

毎日のごはん、トイレ用品、ペットシーツ、清掃に必要な消耗品。当たり前のように見える生活の一つひとつにも、費用がかかっています。

高齢の動物や持病のある子であれば、その負担は何年も続いていきます。

すぐに里親さまが見つかる子ばかりではありません。中には、そのまま施設で最期まで過ごす子もいます。

たとえば、月に1万円の飼育費がかかるとしても、一年で12万円、五年で60万円になります。

それは一匹だけの話ではありません。保護施設では、複数の命を同時に支えています。

一匹を保護するということは、その瞬間を助けることではなく、その先の暮らしごと引き受けることです。

目の前の命を守るために必要なのは、気持ちだけではなく、続けていける環境そのものです。

Woman hugging dog animal shelter rescue adoption pet care love canine friendship volunteer happy friend national dog day

【ここでの私の気づき】

保護施設の活動は、外から見えているものだけではないということです。動物を保護して、里親さまにつないでいく。一見すると、いいことの積み重ねのように見えるかもしれません。ですが実際には、一匹にかかる医療費や飼育費など、想像している以上に大きな負担がかかっています。その現実は、外から見ているだけではなかなか分かりにくく、実際に関わってみて初めて感じる部分でもあります。それでも、里親さまが決まり、新しい生活をスタートする姿を見ると、これまで関わってきた時間が無駄ではなかったと感じる瞬間があります。大変さだけではなく、続けていく理由もそこにある。そうした思いの中で、日々の活動が続いていると感じています。

 

 

【~ご支援・ご協力のお願い~】

   

私たちヴァリアスカラーズは、こうした現実に向き合いながら、行き場を失った犬や猫の命を守り、新しい家族へつなげる活動を続けています。
しかし、この活動は私たちだけの力では続けられません。医療費や食費、施設維持費など、どれも命を守るために欠かせないものですが、日々大きな負担となっています。
もしこの記事を読み、「犬や猫の未来を守りたい」と少しでも感じていただけたなら、どうか私たちの活動を応援してください。
ご寄付は、一頭でも多くの命を救うための医療や生活費に大切に使わせていただきます。私たちの目指すのは、どの命も最後まで愛され、安心して暮らせる社会です。その実現には、あなたの力が必要です。小さな一歩が、大きな命の支えになります。

■特定非営利活動法人VariousColors こちらをクリック ⇒ [公式サイト]

■保護犬猫紹介ページ こちらをクリック ⇒ [犬猫里親募集]

■団体インスタグラム こちらをクリック ⇒ [インスタグラム]

一覧ページに戻る

同じカテゴリを記事を見る

みなさまからのご意見・応援
お待ちしております。

皆様からのご支援で、動物たちの命が救われます。応援をよろしくお願いいたします。
お電話、LINE@、メールにて
お問い合わせください。

Copyright © Various Colors All rights reserved
single-news