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2026年9月1日

子猫が増える時期に見えてくる現実 ー保護現場で起きていることー

子猫が増える時期になると、保護施設には多くの相談が寄せられます。
その背景には、外での出産や避妊去勢がされていない現実があります。

 

□コラム「子猫が増える時期に見えてくる現実 ー保護現場で起きていることー」□目次

第一章|なぜこの時期に子猫が増えるのか

第二章|実際に寄せられる相談の内容

第三章|子猫はなぜ一匹では生きられないのか

第四章|保護した場合に起きる現実

第五章|なぜ現場の負担が大きくなるのか

おわりに|知った上で、あなたにできること

 

 

本題の前に少し自己紹介

こんにちは✨ 私は動物の専門学校を卒業し、現在はNPO法人ヴァリアスカラーズで、動物に関わる仕事をして1年になります。 私自身幼い頃、家で動物を飼っていたわけではありません。それでも、動物の存在に自然と惹かれていました。 思い返してみると、そのきっかけは、友人の家にいたワンちゃんだったと思います。 つらい時や気持ちが沈んだ時、そのワンちゃんと過ごす時間に癒され、気持ちが少し軽くなることがありました。 それが、私にとって動物を「好きだ」と気づいた最初のきっかけでした。 動物と関わりたいという思いから、高校では農業系の学校に進み、畜産動物と触れ合いながら、命について学び命を育てること そして命に責任を持つことの重さを、そこで実感しました。 その後、動物の専門学校で動物について学び、現在は現場で動物たちと向き合う立場になり、学ぶ側から、 実際に命に関わる側になり動物と向き合うことの難しさや、簡単に答えが出ない場面があることも知り現在に至ります。このコラムでは、子猫が増える時期に現場で実際に起きていることや、その背景にある現実について考えるきっかけとして書いています。

 

 

第一章|なぜこの時期に子猫が増えるのか

春から夏にかけては、猫の出産が増える時期です。この時期になると、外で生まれた子猫を見かけることも増えていきます。

その背景にあるのが、避妊去勢がされていない猫の存在です。

特に、外で生活している猫の場合、気づかないうちに繁殖しているケースも少なくありません。

猫は一度の出産で複数匹の子猫を産むことがあり、その子猫たちが成長すると、さらに次の繁殖へとつながっていきます。

また、「誰かがごはんをあげている」「近所で世話をしている人がいる」といった環境の中で、管理する人が曖昧なまま繁殖が続いてしまうケースもあります。

その結果、外で生まれる子猫は少しずつ増えていきます。しかし、外での出産は安全な環境とは限りません。

雨風を避けにくい場所や、人目につきにくい場所で生まれることもあり、弱った状態で見つかる子猫もいます。

また、親猫が移動の途中で子猫とはぐれてしまったり、人や車などの危険を感じて、その場を離れてしまうケースもあります。

生まれたばかりの子猫は、自分で食事をとることも、体温を維持することもできません。

そのため、親猫とはぐれてしまった場合、生き続けることが難しくなります。

子猫が増える時期というのは、単に「子猫を見かける季節」というだけではありません。

その裏側では、外で生まれた小さな命が、厳しい環境の中で生きている現実があります。

Three kittens eating from a bowl outdoors

 

 

第二章|実際に寄せられる相談の内容

子猫が増える時期になると、保護施設にはさまざまな相談が寄せられるようになります。

「子猫が鳴いている」
「親猫が戻ってこない」
「保護した方がいいのか分からない」

そうした連絡が、短期間に重なることも少なくありません。

中には、生まれたばかりと思われる子猫が、段ボールや箱に入れられた状態で見つかるケースもあります。

また、外で出産した親猫が、別の場所へ子猫を移動させようとしている途中ではぐれてしまったり、人の気配を感じてその場を離れてしまうこともあります。

そのため、「親猫がいない」と思われていた場所に、時間を空けて戻ってくるケースもあります。

一方で、本当に親猫とはぐれてしまっている場合や、すでに弱った状態で発見されることもあります。

その判断は簡単ではなく、現場でも慎重な確認が必要になります。

また、「敷地内に子猫がいて困っている」という相談も少なくありません。仕事や家庭の事情によっては、継続してお世話をすることが難しい場合もあります。

そのため、「どうしたらいいか分からない」という状態のまま、保護施設へ相談が寄せられることになります。

しかし、この時期は同じような相談が一気に増える時期でもあります。

一件だけではなく、複数の相談が重なることもあり、現場では状況を確認しながら対応を続けています。

子猫が増える時期というのは、子猫を見かける機会が増えるだけではありません。

その裏側では、どう対応すればいいのか分からず困っている人や、行き場を失う子猫たちが増えている現実があります。

A kitten sleeps next to its newborn siblings. A litter of cats protects each other from the cold surrounded by dirt and plants on a cloudy day.

【ここでの私の気づき】

実際にあった相談の中には、浜松市内のとあるお店の裏に置かれていた段ボールの中で、母猫が出産していたケースもありました。枝やゴミが入ったままの状態の中で生まれ、発見時には母猫の姿はなく、生まれたばかりの子猫たちだけが残されていました。命の危険があると判断し、当施設で保護しています。保護した子猫たちは、生後一ヶ月未満と見られ、まだ自力で生活できる段階ではありません。体温管理や授乳、排泄など、すべてに人の手が必要な時期です。現在はスタッフ宅でお世話を続けており、日々ケアを行っています。保護することがゴールではなく、そこから先の管理やお世話が続いていきます。目の前にいる小さな命に対して、できることを積み重ねながら向き合っています。

 

 

■第三章|子猫はなぜ一匹では生きられないのか

生まれたばかりの子猫は、自分だけで生きていくことができません。

目が開いていない時期もあり、自分で食事をとることもできないため、生きていくためには親猫や人のサポートが必要になります。

特に、生後まもない時期は、数時間おきにミルクを飲ませながら様子を見続けなければなりません。

昼夜を問わず授乳を続ける必要があり、その間にも体調が変わっていないか細かく確認していく必要があります。

また、生まれたばかりの子猫は、自分で体温を維持することも難しく、体が冷えてしまうだけでも命に関わることがあります。

そのため、ミルクを与えるだけではなく、保温を続けながら管理していかなければなりません。

さらに、自力で排泄ができない時期には、そのサポートも必要になります。

一見すると小さく眠っているように見えても、その裏では細かな管理が続いています。

ミルクを飲まなくなる。
鳴き方が弱くなる。
少し体が冷えている。

そうした小さな変化が、短時間で命に関わる状態につながってしまうこともあります。

また、外で生まれた子猫の場合は、雨風や暑さ、人や車などの危険もあります。

安全な環境で過ごせるとは限らず、生まれて間もない子猫にとっては厳しい状況になることも少なくありません。

だからこそ、親猫とはぐれてしまった子猫や、弱った状態で発見された子猫は、人の手による継続したサポートが必要になります。

子猫が一匹では生きられないと言われるのは、小さいからではなく、生き続けるために必要なことを、まだ自分ではできない時期だからです。

A Group of Adorable Newborn Kittens in a Cardboard Box.

 

 

 

第四章|保護した場合に起きる現実

子猫を保護したあとも、すぐに落ち着けるとは限りません。

特に、この時期は子猫の相談が短期間に集中することも多く、保護が重なることで、現場の状況も大きく変わっていきます。

施設内だけでは管理が難しくなり、スタッフ宅でお世話を続けながら対応するケースも少なくありません。

また、子猫だけを見ていればいいわけではなく、施設には他の保護犬・保護猫たちもいます。

通院や清掃、日々のお世話なども続いているため、子猫の対応だけに時間を使えるわけではありません。

その中で、新しく保護した子猫たちの体調確認や管理も並行して行っていく必要があります。

さらに、保護したあとも、必要になることは増えていきます。

離乳が始まればフード管理が必要になり、成長に合わせて生活環境も変えていかなければなりません。

ワクチンや検査などが必要になる時期もあり、保護したあとも継続した管理が続いていきます。

そして、その対応を続けている間にも、新しい相談が入ってきます。

今いる命のお世話を続けながら、次の相談とも向き合っていく。子猫が増える時期の現場では、そうした状況が続いています。

保護というと、「助けた瞬間」が注目されることもあります。ですが実際には、その後の管理やお世話の時間の方が長く続いていきます。

それが、子猫の保護が増える時期に、現場で起きている現実の一つです。

A volunteer comforting a scared cat in an animal shelter with a calming atmosphere

【ここでの私の気づき】

子猫が保護されたと聞くと、「これで安心できる」と感じる方もいるかもしれません。ですが実際には、保護されたあとも状態が安定しないことは少なくありません。小さな体だからこそ、わずかな体調変化でも大きく状態が変わってしまうことがあります。ミルクを飲まなくなる、急に弱ってしまう。そうした変化が短時間で起きることもあり、保護されたあとも安心できるとは限りません。実際に関わる中で感じるのは、小さな命ほど、保護されたその先も不安定な時間が続いていくということです。だからこそ、一つひとつの変化を見ながら、慎重に向き合い続ける必要があるのだと感じています。

 

 

■第五章|なぜ支えが必要になるのか

子猫の保護が増える時期は、現場で必要になるものも一気に増えていきます。

ミルクやペットシーツ、猫砂、離乳後のフード。
成長に合わせて必要になるものは変わっていき、その分だけ継続した費用もかかっていきます。

また、子猫は体調を崩しやすい時期でもあるため、検査や治療、通院が必要になることもあります。

特に、生後まもない子猫は状態が急変することもあり、夜間に病院へ向かうケースや、治療が続くことも少なくありません。

一匹だけを見ると小さく感じるかもしれません。

ですが、同じ時期に複数の子猫を保護するケースもあり、その分必要になる物資や医療費も増えていきます。

さらに、保護施設には子猫だけではなく、高齢の子や継続した治療が必要な保護犬・保護猫たちもいます。

里親さまが見つかるまで長く施設で暮らしている子も少なくありません。

そのため、新しく保護した命だけではなく、今いる命のお世話や管理も同時に続いていきます。

実際に関わる中で感じるのは、保護活動というのは、目の前の命を助けたいという気持ちだけでは続けていけないということです。

お世話を続けるための環境、医療費、物資、人の手。
そうした支えがなければ、目の前の命を守り続けていくことは難しくなっていきます。

だからこそ、保護されたあとも命をつないでいくためには、継続した支えが必要になります。

Veterinarian examining kitten on examination table in clinic

 

■おわりに|知った上で、あなたにできること

こうした現実は、実際に現場で関わらなければ見えにくい部分かもしれません。

ですが、外で生まれる子猫たちは、今もどこかで増え続けています。

だからこそ、まずはこうした現実を知ることも大切なのだと感じています。

そして、もし何かを感じていただけたなら、保護活動を支えるという関わり方もあります。

ご支援や拡散、こうした現実を知っていただくことも、目の前の命につながっていきます。

小さな命を守り続けていくために、知った上で、今できることを一緒に考えていただけたら幸いです。

Closeup feeding baby kitten with a bottle of milk.

 

【~ご支援・ご協力のお願い~】

   

私たちヴァリアスカラーズは、こうした現実に向き合いながら、行き場を失った犬や猫の命を守り、新しい家族へつなげる活動を続けています。
しかし、この活動は私たちだけの力では続けられません。医療費や食費、施設維持費など、どれも命を守るために欠かせないものですが、日々大きな負担となっています。
もしこの記事を読み、「犬や猫の未来を守りたい」と少しでも感じていただけたなら、どうか私たちの活動を応援してください。
ご寄付は、一頭でも多くの命を救うための医療や生活費に大切に使わせていただきます。私たちの目指すのは、どの命も最後まで愛され、安心して暮らせる社会です。その実現には、あなたの力が必要です。小さな一歩が、大きな命の支えになります。

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