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2026年10月4日

飼い主の高齢化で増えるペット問題

保護施設には、さまざまな理由で行き場を失った犬や猫たちがやってきます。

その中でも近年増えているのが、飼い主の高齢化によって、お世話を続けることが難しくなったケースです。

今回は、高齢化によって増えているペット問題について、現場で感じている現実をお伝えしていきます。

 

本題の前に少し自己紹介

こんにちは✨ 私は動物の専門学校を卒業し、現在はNPO法人ヴァリアスカラーズで、動物に関わる仕事をして1年になります。 私自身幼い頃、家で動物を飼っていたわけではありません。それでも、動物の存在に自然と惹かれていました。 思い返してみると、そのきっかけは、友人の家にいたワンちゃんだったと思います。 つらい時や気持ちが沈んだ時、そのワンちゃんと過ごす時間に癒され、気持ちが少し軽くなることがありました。 それが、私にとって動物を「好きだ」と気づいた最初のきっかけでした。 動物と関わりたいという思いから、高校では農業系の学校に進み、畜産動物と触れ合いながら、命について学び命を育てること そして命に責任を持つことの重さを、そこで実感しました。 その後、動物の専門学校で動物について学び、現在は現場で動物たちと向き合う立場になり、学ぶ側から、 実際に命に関わる側になり動物と向き合うことの難しさや、簡単に答えが出ない場面があることも知り現在に至ります。このコラムでは、高齢化によって増えるペット問題の現実や、その背景にある課題について、一緒に考えていけたらと思います。

 

 

□コラム「飼い主の高齢化で増えるペット問題」□目次

第一章|なぜ高齢化によるペット問題が増えているのか

第二章|高齢の犬猫が抱える問題

第三章|行き場を失った犬や猫は誰が支えるのか

第四章|その時、誰が受け止めるのか

おわりに|知った上で、あなたにできること

 

 

■第一章|なぜ高齢化によるペット問題が起きるのか

高齢化によるペット問題とは、飼い主さまが年齢を重ねることで犬や猫を飼い続けることが難しくなり、行き場を失う命が生まれてしまう社会問題です。

犬や猫は、一度迎え入れると10年以上一緒に暮らすことも珍しくありません。

そのため、飼い主さまが高齢になる頃にも、犬や猫が元気に暮らしているケースは多くあります。

しかし、年齢を重ねる中で生活は少しずつ変化していきます。

体力が落ち、お散歩や通院が負担になる。

病気や介護が必要になる。

突然の入院や施設入所によって、お世話を続けることが難しくなる。

こうした変化によって、それまで当たり前だった犬や猫との暮らしを続けられなくなることがあります。

実際の現場でも、「手放したい」のではなく、「最後まで一緒に暮らしたいけれど、それができなくなってしまった」というご相談を受けることがあります。

そして、その先には犬や猫の行き場や、新たな受け入れ先を探さなければならないという新たな課題が生まれます。

高齢化によるペット問題は、犬や猫だけの問題でも、特別な家庭だけの問題でもありません。

日本の高齢化が進む中で、これからさらに向き合っていく必要がある社会問題の一つです。

老人介護施設・介助犬と母

 

 

■第二章|高齢の犬猫が抱える問題

飼い主さまが年齢を重ねるように、犬や猫たちも年齢を重ねていきます。

長い時間を一緒に過ごしてきたからこそ、気づけばシニア期に入っていることも珍しくありません。

若い頃は元気に走り回っていた子が、ゆっくり歩くようになる。

今まで簡単に飛び乗れていた場所へ上がれなくなる。そんな変化が少しずつ見られるようになります。

年齢を重ねることで、病気と付き合いながら生活する子もいます。

毎日の投薬が必要になることもあれば、定期的な通院が続くこともあります。

そしてもう一つ、高齢の犬猫たちには大きな特徴があります。それは、環境の変化が負担になりやすいということです。

長年暮らしてきた家。毎日顔を合わせていた飼い主さま。

当たり前だった生活が変わることは、人が思う以上に大きな出来事なのかもしれません。

新しい環境に戸惑い、ご飯を食べなくなる子もいます。落ち着かない様子を見せる子もいます。

もちろん、すべての子がそうなるわけではありません。

ですが、高齢の犬猫ほど、変化への対応に時間がかかる傾向があります。

高齢化によるペット問題が難しいと言われるのは、犬や猫たちもまた年齢を重ねているからです。

Old dog comfortable on dog bed

【ここでの私の気づき】

高齢の犬や猫についてお話ししましたが、実際には、すべてのケースで犬や猫が高齢とは限りません。飼い主さまは高齢でも、犬や猫はまだ5〜6歳と元気な年齢のこともあります。毎日のお散歩や遊びが必要な時期であっても、飼い主さまの体力や健康状態の変化によって、お世話を続けることが難しくなってしまうことがあります。高齢化によるペット問題は、「高齢の犬や猫だから起きる問題」と一言では表せません。人と動物、それぞれの状況によって、さまざまな形で起きている問題なのだと感じています。

 

 

■第三章|行き場を失った犬や猫は誰が支えるのか

高齢化によるペット問題では、「飼えなくなったあと」が大きな課題になります。

では、その子たちは誰が支えるのでしょうか。

まず考えられるのは、ご家族や親族の方です。実際に、ご家族が引き取り、そのまま暮らしを引き継ぐケースもあります。

ですが、すべての家庭でそれができるわけではありません。

県外で暮らしている。

住まいの規約で飼うことができない。

仕事や家庭の事情から、お世話を続けることが難しい。

さまざまな理由によって、引き取りが難しいケースもあります。

また、一人暮らしの方や、頼れる親族がいない方もいます。そのため、「家族がいるから大丈夫」とは言い切れないのが現実です。

そうした時に相談先の一つとなるのが保護施設です。

しかし、保護施設も無限に受け入れられるわけではありません。

つまり、高齢化によるペット問題は、家族だけでも、保護施設だけでも支えきれない場合があります。

誰か一人が解決できる問題ではなく、さまざまな立場の人が関わりながら支えていかなければならない社会問題なのです。

Happy volunteers caring for a dog and cat at an animal shelter

 

【ここでの私の気づき】

高齢の方が犬や猫と暮らすことは、決して悪いことではありません。実際に、長い時間を一緒に過ごし、家族のように大切に暮らしている方もたくさんいます。ですが一方で、年齢を重ねることで、突然お世話が難しくなってしまうことがあります。入院や施設入所によって、急に犬や猫だけが残されてしまうケースもあります。そして、その時になって初めて、「この子をどうするか」という問題が出てくることも少なくありません。実際の現場でも、「もっと早く考えておけばよかった」という声を聞くことがあります。だからこそ、もしもの時にどうするのか、周りのご家族も含めて事前に考えておくことは、とても大切なのだと感じます。高齢化によるペット問題は、特別な人だけに起きることではありません。今後さらに増えていく可能性のある、身近な社会問題の一つです。だからこそ、多くの方に知っていただきたい現実だと感じています。

 

 

■第四章|その時、誰が受け止めるか

前章でお伝えしたように、行き場を失った犬や猫たちの相談先の一つが保護施設です。

ですが、相談が寄せられたすべての犬や猫を受け入れられるわけではありません。

施設には限られたスペースがあり、すでに多くの犬や猫たちが暮らしています。

さらに、高齢化によるペット問題だけではなく、多頭飼育や飼育放棄、野良猫に関する相談など、さまざまな案件が日々寄せられています。

そのため、現場では「助けたい」という気持ちだけで受け入れを決めることはできません。

今いる子たちの生活を守れるか。

受け入れたあとも継続してお世話ができるか。

一件ずつ状況を確認しながら判断していく必要があります。

実際には、相談があってもすぐに受け入れができないケースもあります。

別の方法を一緒に考えたり、関係者の方と話し合いを重ねたりしながら、その子にとって何が最善なのかを探していくこともあります。

高齢化によるペット問題は、犬や猫だけの問題ではありません。

その背景には、人の暮らしや家族の事情があり、受け止める側にも限界があります。

だからこそ、保護施設は単に犬や猫を預かる場所ではなく、行き場を失った命と向き合う最後の受け皿の一つになっているのです。

Woman hugging dog animal shelter rescue adoption pet care love canine friendship volunteer happy friend national dog day

 

 

 

■おわりに|知った上で、あなたにできること

高齢化によるペット問題は、飼い主さまの健康状態や生活環境、ご家族との関係など、さまざまな要素が重なって起きる社会問題です。

そして、その影響を受けるのは、一緒に暮らしてきた犬や猫たちでもあります。

高齢の方が犬や猫と暮らすことは、決して悪いことではありません。

だからこそ、もしもの時にどうするのかを考えておくことも大切なのではないでしょうか。

自分や家族に何かあった時、この子を託せる人はいるだろうか。

どのような選択肢があるだろうか。

そうしたことを元気なうちから考えておくことは、犬や猫たちの将来を守ることにもつながります。

まずは、この問題を知ること。そして、自分だったらどうするかを考えてみること。

それもまた、高齢化によるペット問題を減らしていくための大切な一歩なのかもしれません。

Service dog by the side of an elderly person with a supportive stance, wearing a vest, and showing dedication to aiding their daily activities.

 

 

 

【~ご支援・ご協力のお願い~】

   

私たちヴァリアスカラーズは、こうした現実に向き合いながら、行き場を失った犬や猫の命を守り、新しい家族へつなげる活動を続けています。
しかし、この活動は私たちだけの力では続けられません。医療費や食費、施設維持費など、どれも命を守るために欠かせないものですが、日々大きな負担となっています。
もしこの記事を読み、「犬や猫の未来を守りたい」と少しでも感じていただけたなら、どうか私たちの活動を応援してください。
ご寄付は、一頭でも多くの命を救うための医療や生活費に大切に使わせていただきます。私たちの目指すのは、どの命も最後まで愛され、安心して暮らせる社会です。その実現には、あなたの力が必要です。小さな一歩が、大きな命の支えになります。

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